卒業アルバムに思い出をそっと包みこんで

~「学校アルバム“ステキ化”プロジェクト」の思いと取り組み~


ステキ化プロジェクトの生い立ち

「学校アルバム“ステキ化”プロジェクト」(以下、ステキ化プロジェクト)は、協同組合奈良県写真師会に所属する写真館の有志で活動しています。卒業アルバム制作は、写真館の最も重要な仕事のひとつです。卒業アルバムは、何十年も大切に保管して、たまにページを開いては懐かしい思い出に浸ることができるものです。引っ越しや大掃除のとき、あるいは同窓会。時を忘れてページをめくった経験のある方も多いと思います。そこまで人生に浸透しているものはなかなかありません。

卒業アルバムはだいたいこういうものというイメージがあり、それはある意味「安心感」にもつながるのですが、私たち写真館はそれに安住していないか?卒業アルバムと言えば、個人写真や集合写真があって、運動会などのスナップのページがあって・・・。どれも大切にしまっておきたい思い出ですが、それらを1冊のアルバムにするときに、もっと「ステキ」に作ることができないか?そういう思いから、ステキ化プロジェクトを始めることにしました。

「ステキ」なアルバムって?

卒業アルバムの「ステキ化」にはいろいろな要素が考えられます。個人写真ひとつとってみても、もっとキレイに撮るライティング、撮影場所のこと、顔だけなのか全身なのか、ポーズをどうするかなどなど、考えることはたくさんあります。ステキ化プロジェクトを始めてみて、卒業アルバムをもっと「ステキ」にするための工夫の余地はまだまだたくさんあると実感しています。

卒業アルバムは、学校を介して一人一人の手に渡ります。そのため、写真館の側にはもらった方がどんな評価をしているのかが分かりにくい商品でもあります。もちろん私たちは、いまできるベストを尽くして制作をしているのですが、それが本当に喜んでもらえているのかが把握できないのです。それはとても不安なことでもあります。その不安を払拭するために、ステキ化プロジェクトを立ち上げたとも言えるのです。つまり、有志が自分の作ったアルバムをそれぞれ持ち寄り、お互いに評価しあい意見交換を行うことで、いま自分が作っているアルバムのステキ度が確認できる。この作業は、アルバムをもっと「ステキ化」するために非常に大切なことなのです。

ステキ化プロジェクトが目指すもの

最近は、卒業アルバムも入札が行われるようになりました。お金を払う側からすれば、できるだけよいものをできるだけ安く買いたいのは当然で、私たちもその期待に応えるべくアルバム制作に携わっています。しかし残念ながら、業者の中には私たちから見れば不当に安価な見積もりを提示して落札を繰り返しているところもあります。そのアルバムの品質が高ければ、私たちの価格に対する努力がまだまだ足りないと言えますが、拝見する限りでは進歩も工夫も感じられず、見た目もパッとしないものがほとんどです。そんなアルバムが、一生に一冊の思い出として、卒業生のみなさんに渡されているのです。

卒業アルバムはその程度のものなのでしょうか?

私たちは、何年たってもページを開きたくなるような、ページを開けば当時の思い出が鮮明に蘇るような、何よりずっと大切に残しておきたいと思ってもらえるようなアルバムを作りたいのです。そんなアルバムを望んでおられることを信じてアルバム制作に取り組んでいます。

卒業アルバムは作り直すことができません。買い替えがきかないのです。レストランの食事がおいしくなければ次からその店に行かなければいいだけです。毎食コンビニ弁当でかまわないと思っている人でも、大切な日にはちょっと贅沢をすると思います(コンビニ弁当を悪く言っているのではありません)。卒業アルバムの制作業者を選ぶときは、大切な日のレストランを選ぶのと同じように、少しだけ慎重になってほしいのです。卒業アルバムにはそれだけの価値があるのではないでしょうか?

卒業アルバムはまだまだ「ステキ」になります。
そのために、ステキ化プロジェクトがあります。

卒業生のみなさんの、期待以上のものを作りたい。
人生の節目節目で心を暖め、次の一歩を踏み出す後押しができるようなアルバムを作りたい。

私たちはそんな思いで、アルバム作りに取り組んでいます。

学校アルバム“ステキ化”プロジェクト
リーダー 東 靖


勉強会は、出来たてのアルバムが出揃う春休みや夏休み、その他必要に応じて行っています。

当組合では、組合員の学校アルバム作りに対する意識を高め、より良いアルバムを提供することを目的として、今年から学校アルバムコンテストを開催することになりました。

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